雨と晴れと舞台

踊り、演劇、お笑い、いろいろな舞台に関して綴ります。

ザ・ラスト・ナイツ/The Last Knights

 監督/紀里谷和明 出演/クライヴ・オーウェンモーガン・フリーマン、アクセル・ヘニー、クリフ・カーティス伊原剛志、ペイマン・モアディ、アイェレット・ゾラー、ショーレ・アグダシュルー、アン・ソンギ 他

 

 舞台は中世ヨーロッパを思わせる架空都市、グレーの城壁、硬性な石畳の街に騎士達の鉄鎧、剣、が堂々と重厚に重なり合っている。物語は日本の忠臣蔵をベースにしてある。腐敗した封建政治がまかりとおり、騎士道の精神を忠実に守る者たちが追いやられている時代、自己の信念を曲げずに不正を受け入れなかった君主バルトーク卿(モーガン・フリーマン)の仇を討とうとライデン(クライヴ・オーウェン)等騎士達が立ち上がる・・。

 忠臣蔵の武士道を騎士道にかえて、しかし本題は忠臣蔵と同様、忠義、であろう。プラス騎士道の高潔な精神、信仰心、などを加えているように思う。さらに、仇打ちへの作戦では、トロイの木馬を思わせるシーンも。

 印象的だったのは、なくなったバルトーク卿の一族が強制的に郷里を追いやれる場面。卿の未亡人と娘を、没落した一族と見下し、侮蔑的に移動を強制した部下を伊原剛志扮するイトーが一刀のもとに討ち捨てる。日本ではシチュエーションは違うが、織田信長にもそういったエピソードがあるようだ。中世の英国の騎士も主君の夫人や姫君に対しては特別の敬意を払っていたという。