雨と晴れと舞台

踊り、演劇、お笑い、いろいろな舞台に関して綴ります。

フラメンコ舞台

2014.11.15 セルバンテス文化センター東京

「PUNTOS y LINEA」点と線

黒を基調としたモダンな小ホール。舞台上には4つの椅子のみ。壁にPuntos y Lineaの黒とグレーの濃淡配色の壁掛け。

1.歌の起こり David Lagos/El Lomdro

David Lagos(ダビ・ラゴス)El Londro(エル・ロンドロ)の歌。AMI、森田志保、が客席から、小島章司が舞台袖から静かに現れ全員が一列の線になる。

 

2.カディスの潮 Sal de Cai (alegria) David Lagos

素晴らしいアレグリアス。こんなに素晴らしいアレグリアスを聞いたのは初めてである。カディスの青い空、眩しい日差し、乾いた空気などがまざりあったラテンの陽気な街並みにぐいぐいと引き込まれていくようであった。春の輝き、人生の喜び。人生はいろいろである、思いがけない自分ではどうにならない苦労も多い。しかし、本来、人生とは暖かく、楽しめるものでもあったはず、忘れていたそんなことを思い起こさせてくれた。

歌とギターだけで周りの空気を一変させる。心の奥底から喜びがひしひしとわきが上がってくる。舞台の色は黒と濃茶とオレンジ。歌とギターの小さな空間。歌声とギターの音色のたった二つの道具だけで、目の前にはカディスの街並みがそこに生きる人々が、スペインの乾いた空気が出現した。

 

3.炎  El fuego (siguiriya)  AMI

静から動への構成が素晴らしい。足音が美しくきれいに響く。静かで洗練された強く美しい炎。最後の去り際の背中が語る、人間の生きていく強さ。